ドイツに留学・滞在経験のある、大槻彰子氏によるドイツ本です。
個人の日記のような感じで、ドイツ人のリアルな日常生活のエピソードを知ることができます。
本書を読みすすめると、ドイツ人には一般的な日本人と違って日々の生活にゆとりがあるなぁと感じます。
例えば閉店法があって、みんな基本休むので日曜は静か。
日曜日もお店を営業したら罰金があるのだとか(!)
日本みたいにお店が年中開いてないので不便ではあるかもしれないですけど、みんな休みだと気分的には良いかもですね。
ドイツ人は新鮮な空気と散歩が大好きで、よく換気をしたり緑のあるところを散歩するのだとか。
健康的でいいですね。
緑をとても大事に考えており、一定以上の樹木を切るには許可が必要みたいです。
特に本書で印象に残ったのは子どもの教育について。
日本の詰め込み一律教育と違い、その子ひとりひとりの個性や能力を伸ばす教育がとてもいいなと思ったので本書を一部引用してご紹介します。
ドイツで十歳から子供をそれぞれのコースに分けるのは、同じような個性、興味、学力を持った子供たちを一緒にして教育することにより、子供の個性、能力を伸ばしやすくするためだという。
ドイツでは、「人はそれぞれ皆違う」とか考えられ、教育もそこから始まっている。だから、ドイツ人にとって、教育における平等とは、それぞれの子供の個性、能力を伸ばす機会がそれぞれの子供にきちんと与えられることだと考えられている。 みんなが同じ教育を受け、同じように高校に進むことが平等と考えられている日本とは、教育における平等感が大きく違う。
十歳で学校を決めるときにはね、親は、将来大学に行かせたいからとか、職業に就かせたいからというように、将来を考えて決めるのではないの。今の時点でこの子供の持っている個性、能力がどの学校へ行ったらもっと伸ばせるか、それを一番に考えるのよ。
受験もなく、親と教師が相談して、その時点で子供に一番合った学校へ入れる。そして興味や能力に変化が生ずれば、途中でコースを変えることができるのだという。だから最終的にその子が巡り着いたところが、その子の個性、能力に合ったところだということになる。
「みんなやれば同じようにできるはずだ!」と親から教師からハッパをかけられ、そのうえ、点数だけで人格までも判断されてしまう日本の子供たち。
もし、「みんなそれぞれ個性や能力は違っているんだ。違っていて当然なんだよ。だからそれでいいんだよ」と大人たちが考えてくれたら、日本の子供たちはどんなにラクになれることだろう!
日本の一律つめ込み教育には大人になってからずっと疑問に思っていたので、人はみな違うことを前提としたドイツの子供の個性、能力を伸ばしやすくする教育は合理的で非常に良いなと思いました。
とはいえ日本だとまだまだ子どもの個性を大切にするような土壌が出来てないのが現況です。
出来ないことばかりやらせるのではなく、子どもの個性や能力を伸ばせるようにしてあげたいものですね。