福沢諭吉といえば
- 頭が良い
- 先見の明がある
- 明るい
- 度胸がある
- 手先が器用
- ユーモアがある
- 173センチと背が高い(江戸時代の成人男性の平均身長は157センチ)
- 運動ができる
- 割とイケメン
と、なんでも出来るというイメージがあります。
ただそんな福沢諭吉もやはり私たちと同じ人間ということで、苦手なことが少しはあったようです。
『現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)』によると、血を見ることが大の苦手だったようです。
私は少年の時からとても元気のよい男で、時として大言壮語したことも多いが、生まれつき気の弱い性質で、生きものを殺すのが嫌い、人の血を見ることが大嫌い。
福澤諭吉. 現代語訳 福翁自伝 (Japanese Edition) (pp.149-150). Kindle 版.
私も生きものを殺すのや血を見ることが大の苦手なので、とても共感しました。
案外こういう人って多い気もするのですが、どうなんですかね汗
ちょっとした怪我でも血が出ると顔色が青くなる。いつも都会の地にある行き倒れ、首くくり、変死人などは何としても見ることができない。見物どころか、死人の話を聞いても逃げてまわるというような臆病者である。
福澤諭吉. 現代語訳 福翁自伝 (Japanese Edition) (p.150). Kindle 版.
ちょっとしたケガでも血が出ると顔色が悪くなるとは、本当に血がダメなんでしょうね。
というか、明治時代では都会に行くといつも行き倒れ、首くくり、変死人がいたのがびっくりです汗
死人の話を聞いても逃げてまわってたとは、意外すぎる笑
ロシアに滞留中、「ある病院で外科手術があるから見物せよ」との案内があり、箕作も松木も医者だからすぐに出かける。私も一緒に行けと無理に勧められて連れて行かれたが、外科室に入ってみれば結石を取り出す手術で、執刀の医師は合羽を着て、病人をまないたのような台の上に寝かして、クロロホルムをかがせて気を失わせて、それからその医師が光り輝く刀を執ってグッと刺すと、大層な血がほとばしって医者の合羽は真赤になる。それから刀の切り口に釘抜きのようなものを入れて、膀胱の中にある石を取り出すとかいう様子であったが、そのうちに私は変な気持ちになって何だか気が遠くなった。すると同行の山田八郎という男が私を助けて室外に連れ出し、水など飲ませてくれてやっと正気に返った。
福澤諭吉. 現代語訳 福翁自伝 (Japanese Edition) (p.150). Kindle 版.
血が苦手な福沢諭吉が外科手術の見物だなんて、本当に嫌だったでしょうね…。
その前ドイツのべルリンの眼病院でも、やぶにらみの手術ということで子供の眼に刀を刺すところを半分ばかり見て、私は急いでその場を逃げ出して、その時には無事にすんだことがある。松木も箕作も私に意気地がないと言ってしきりに笑いしきりに冷やかすけれども、持って生まれた性質は仕方がない。生涯これで死ぬことでしょう。
福澤諭吉. 現代語訳 福翁自伝 (Japanese Edition) (pp.150-151). Kindle 版.
持って生まれた性質は仕方がない!
と良い意味で開き直るのも、さすが福沢諭吉らしいですね^^
頭が良いからと変にプライドが高いわけでもないところがまた福沢諭吉の魅力だと思います。
このエピソードは以下の2冊に収録されています。